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アメリカ輸出を目指す日本企業の初歩ガイド:アメリカ向け輸出規制概要

  • Writer: ARISA SAITO
    ARISA SAITO
  • Jan 14
  • 6 min read
税関対応

なぜ輸出は難しく感じるのか。海外市場は魅力的で、品質の高い日本製品は高く評価される。しかし、多くの日本企業にとって 「輸出はハードルが高い」 と感じられるのも事実。

その理由はアメリカを例にとると:

  • 製品カテゴリーごとに規制が異なる

  • 関わる米国政府機関が多い(FDA、USDA、CPSC、FCC、CBP など)

  • 英語での書類・成分表・技術資料が求められる

  • 日本の表示ルールとアメリカの表示ルールが大きく違う

  • 小規模メーカーは輸出経験が少ない

  • コミュニケーションのギャップが発生しやすい


このガイドでは、アメリカのケースを例に現地企業からの問い合わせに対応するために、日本企業が最低限知っておくべきポイント をまとめる。


0.アメリカ向け輸出の本質は「バイヤーと一緒に必要書類を埋める」だけ

難しく考えすぎる必要がない、ということだけ冒頭にまとめておこうと思います。

アメリカ向け輸出は複雑に見えるが、実務の本質はとてもシンプルです。日本企業がすべての規制を理解する必要はなく、バイヤーと協力して必要書類を整えることが最も重要です。


アメリカの輸入制度は「輸入者(バイヤー)が最終責任を持つ」仕組みのため、日本側が行うべきことは次の3つだけ。


① バイヤーに必要書類を確認する

食品・化粧品・雑貨など、カテゴリーごとに必要な情報は異なる。まずは「何が必要か」をバイヤーに確認する。


② 日本側が持っている情報を整理して渡す

原材料、成分、素材、製造工程、ラベル情報など、多くの書類は日本企業がすでに持っている情報で作れる。


③ 足りない部分はバイヤーと相談しながら埋める

FDA登録、FSVP、Nutrition Facts など、最終的な作成や判断はバイヤー側が担当する。


アメリカ向け輸出は「難しい制度」ではなく、バイヤーと一緒に必要書類を埋めていく共同作業にすぎないです。日本企業は、必要な情報を正しく提供できれば十分に輸出が可能になるということを念頭においてもらえれば幸いです


1.アメリカ向け輸出規制で理解すべき「2つの規制レイヤー」

アメリカ向け輸出規制では、次の2つの規制を理解する必要があります


①アメリカ側の規制(輸入規制)

アメリカでは、製品カテゴリーごとに担当官庁が異なる。(食品をやってるとFDAなのかUSDAなのかどっちなのか問題が結構重要になってきたりしますが、詳細は省きます)

  • FDA:食品、化粧品、食品接触材料

  • USDA:農産物

  • CPSC:玩具・生活雑貨

  • FCC:電気・電子機器

  • CBP:税関、HSコード、原産地表示


(2) 日本側の輸出要件

  • 輸出書類(インボイス、パッキングリストなど)

  • HSコードの分類

  • 危険物の航空輸送ルール

  • 原材料・成分情報の提供


2. 製品カテゴリー別:日本企業が理解すべきアメリカの規制

A. 食品・飲料

アメリカは食品規制が非常に厳しいです。こういった手続きは日本でも面倒なものなのを、英語で色々書かれるからさらに厄介に見えますが、一個ずつクリアすれば(ものにもよりますが)そこまで複雑じゃないので、ここで躊躇してしまう企業さんもいると思いますが、あまり身構えずに色々やるのね程度にフラットに見てもらえればと思います。


求められる主な要件

  • 製造施設の FDA登録

  • FSVP(外国供給業者検証プログラム)

  • Nutrition Facts(栄養成分表示) の米国仕様

  • アレルゲン表示(FALCPA)

  • 使用原材料の英語リスト

  • Prior Notice(事前通知)

日本企業がつまずきやすい点

  • 日本語の原材料名が曖昧で英語化できない

  • 栄養成分表示の計算方法が日本と異なる

  • 包括表示(「香料」「着色料」など)が通用しない


あと、アメリカではOrganic認証ついてると大きな+αになるのですが、日本でJASオーガニックを取ったものを、どうやって米国のオーガニック認証に対応させるかはまた別にまとめようと思います。


B. 食器・キッチン用品

食品ほどではないが、アメリカでは食器も規制対象です。

求められる主な要件

  • FDA の 食品接触材料 の基準

  • 陶器・ガラスの 鉛・カドミウム検査

  • 原産地表示(Made in Japan)

日本企業がつまずきやすい点

  • 伝統工芸品は検査書類がないことが多い

  • 英語の技術資料が用意されていない


C. 雑貨(General Goods)

最も輸出しやすいカテゴリーといえます。そのため、特に雑貨扱いになる商品を取り扱ってる企業は、あまり難しく考えずアメリカ市場への展開を検討してほしいです。

(実務上食事に使わないインテリアとしてのプレートはこの雑貨扱い、実際に食卓で使う食器としてのプレートは食器扱いになるというダブスタ感は否めませんが、そういうものです)

  • FDAなし

  • CPSCなし(子ども向けでなければ)

  • FCCなし

  • 表示もシンプル


D. フレグランス・ホームフレグランス製品

ざっくりいうと人の体に使うかどうかで扱いが変わり、輸出のハードルも変わるので意外とやっかいです。ルームスプレーなら消費財、ボディミストなら化粧品。

なので両方作ってるなら、ルームスプレーとか消費財側から始めることを推奨します(ハードルが低いため)


1. ホームフレグランス(ディフューザー・キャンドル等)

  • 多くは 化粧品扱いではない消費財として扱われる

  • 航空輸送時の危険物ルールに注意

2. 香水・ボディミスト

  • FDA の化粧品規制

  • 成分の英語リスト

  • 禁止成分の確認

  • 効能を示す表現は禁止(例:美白、治療)


E. 玩具・ベビー用品

アメリカは子ども向け製品の規制が厳しいです。

求められる主な要件

  • CPSC の安全基準

  • ASTM F963 試験

  • CPC(Children’s Product Certificate)

  • 鉛・フタル酸の制限

  • トラッキングラベル


日本企業がつまずきやすい点

  • 小規模メーカーは試験費用が負担

  • 日本の玩具基準とアメリカの基準が異なる


※このあたり以降、弊社では、技術的な専門家は有していないため物の取り扱いが難しくなり、Webサイト作成やバイヤー交渉支援のみの対応となりますが、情報としてはまとめておきます。


F. 化粧品

MoCRA(2023年施行)により規制が強化してます。

求められる主な要件

  • 成分の英語リスト(INCI名)

  • 禁止成分の確認

  • 効能表現の制限

  • 製造施設の登録

  • 製品リスティング

日本企業がつまずきやすい点

  • 日本の「医薬部外品」概念がアメリカにはない

  • “Whitening” などの表現が禁止

  • INCI名が不明で英語化できない

想像通りでハードルが高いもののうちの一つです。


G. 電子機器

求められる主な要件

  • FCC 認証

  • UL(任意だが大手小売は必須)

  • リチウム電池の航空輸送ルール



4. 日本企業が直面しやすい課題

  • 英語の書類が揃っていない

  • 成分リストが不完全

  • アメリカの表示ルールを知らない

  • 小ロット輸出に慣れていない

  • コミュニケーションのギャップ

  • アメリカ企業が求めるスピード感に対応できない


5. IRODORI Lab が日本企業をどう支援できるか

色々書きましたが、冒頭に記載した通りで日本側の企業として全部自力で1から10まで理解して対応しなきゃいけない!ではなく、「バイヤーと協力して、バイヤーが求める書類・情報を、良きスピードで渡していけばいい」程度に構えてもらえればと思います。


とはいえ、企業によってはこれまでの日常業務を回しながらその対応を追加で実施する余裕もない、そのためだけに1人雇用するのも非効率だと思うので、弊社は以下のサポートを行います。

  • アメリカ企業とのコミュニケーション代行

  • 必要書類の整理・英語化

  • 成分リスト・技術資料の翻訳

  • アメリカ規制の事前チェック

  • ラベル・パッケージの英語監修

  • 小ロット輸出の調整


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