米国USDAオーガニック認証の取得方法
- ARISA SAITO
- Jan 25
- 6 min read
日本のスーパーにもオーガニック商品は多く並びますが、アメリカ市場に食品を輸出する際、USDAオーガニック認証の有無は、日本以上に販売チャネルやブランド価値に直結します。ここではまず、米国での認証の意味合いを整理し、その後に日本の有機JASからUSD日本の有機JASからUSDAオーガニック(NOP)認証を取得する方法をわかりやすく解説。米国市場でのオーガニック認証の意味、必要書類、工場・サプライチェーンの注意点、輸出時の対応までまとめています。認証へ切り替える際の実務ポイントをまとめます。

① 米国における「オーガニック認証の有無」の意味合い
米国ではオーガニックと表示するにはUSDA認証が必須
米国ではUSDA認証を受けていない商品に“Organic”と表示することは法律で禁止されています。 「ナチュラル」「クリーン」などの曖昧な表現は可能ですが、消費者の信頼度は大きく下がります。
※ナチュラルやクリーンに限らず、実務ではどこまでの言葉をパッケージに書くことが許容範囲かというのと、企業としてどこまで攻めるかというのは慎重な対応が必要なところ
オーガニック認証がないと、参入できる売り場・棚が限定される
米国スーパーでの陳列の様子を面で取ったものがぱっと出てこないのですが、オーガニックじゃないものを探すのが大変なくらい基本的にはオーガニックのもので溢れています。感覚として日本では「オーガニックがついてるものが特別」なのが、米国では「オーガニックは標準装備」というように感じられました。
Organic Trade Association(OTA)の2025年レポートによると:
• 2024年のオーガニック市場成長率:5.2% (食品市場自体は2.5%)
• 市場規模:716億ドル
ということです。Z世代とミレニアルの30%がオーガニック製品を選択することが分かっています
オーガニックであることは”日本の商品”を選ぶ消費者セグメントの需要と整合する
米国のオーガニック市場は「プレミアム価格」を受け入れる文化が強く、 USDA認証 × 日本産という組み合わせは、品質保証として非常に強いシグナルになります。
「日本」のイメージは安心・高品質、禅、等と結びついていることが多く、日本製品を所望する消費者セグメント(除く電化製品、ゲーム)はオーガニックを選択購買する人たちになりやすいです
② 日本の有機JASをUSDAオーガニック認証に切り替えるための手続き
前提:有機JASとUSDAオーガニックは別制度
理念は似ていますが、制度・管理主体・審査基準が異なるため、 当然ながら日本で有機JASを持っていてもUSDA認証は自動付与されません。USDAが認めた認証機関による審査が必要です。
USDAは、日本国内の一部の認証機関を「NOP(USDAオーガニック)を審査できる第三者機関」として認定しています。そのため、JAS認証を取っておけば 日本語で、日本国内で、日本の認証機関を通じてUSDAオーガニック認証(NOP準拠)を取得できます。
これは海外の認証機関に依頼するよりも圧倒的にスムーズです。
実務で必要な書類と注意点
USDA認証の中心となるのは Organic System Plan(OSP)と呼ばれる包括的な計画書です。
● 必要な情報
原材料の一覧とオーガニック証明書(CO)
加工工程フロー
洗浄手順・交差汚染防止策
保管・輸送の区分管理
GMOリスク管理
ラベル案(95%ルールの確認)
③実務上の注意点(サプライチェーンすべてでの認証)
ここが実務で最もつまずきやすいポイントかなと思います。単一原料ならいいのですが、加工食品になると一気にハードルが上がる原因でもあります
USDAオーガニックは、 農場 → 原料加工 → 輸送 → 混合加工 → 包装 → 輸出のどこか一箇所でも認証が途切れると、最終製品はオーガニック表示ができません。特に注意すべきは:
原料の中間加工業者
倉庫・保管業者
輸送業者(バルク輸送など)
これらが認証を持っていない場合、追加の証明や管理策が必要になります。
0. 原材料ごとに「オーガニック証明書」が必要
複数原料を使う場合、 すべての原料がUSDAオーガニックである、その証明書をロットごとに管理していることが求められます。
1. 混合加工を行う工場自体がUSDA認証を持っている必要がある
原材料がすべてオーガニックでも、 混ぜる工場がUSDA認証を持っていなければ、最終製品はオーガニックと名乗れません。
2. 有機と非有機を扱う工場は「区分管理」が必須
専用ライン、時間区分(有機→非有機の順で加工)、 洗浄記録 など、混入防止策が明確である必要があります。
④毎回の輸出時に必要な対応
USDA認証を取得した後も、輸出のたびに必要な書類・対応があります。
1. オーガニック証明書(Certificate of Organic Operation)の提示
輸入者(米国側)が必要とするため、最新のUSDA認証書のコピーを毎回共有します。
2. ロットごとのトレーサビリティ資料
米国側は「このロットが本当にオーガニックか」を確認する必要があります。輸出ごとに:
原料ロット
製造ロット
製造記録
洗浄記録(有機→非有機の切替がある場合)
包装記録
などを整理しておくとスムーズになります
3. 原料のオーガニック証明書(CO)のロット紐づけ
複数原料を使う場合、使用した原料ロットに対応するCOをセットで提出する必要があります。
4. ラベル・表示の最終確認
USDAロゴの使用位置
“Organic”表示の妥当性(95%ルール)
原材料表記の整合性
輸出前に輸入者と最終確認するのが一般的です。
5. サプライチェーンの変更があれば即共有
原料の変更
工場の変更
倉庫・輸送方法の変更
これらはNOPの適合性に影響するため、輸入者に必ず事前共有が必要。
6. 年次更新の証明
USDA認証は1年更新のため、更新後の認証書を輸入者に毎年提出します。
まとめ&弊社でできること
米国ではオーガニック認証の有無が販売チャネルや価格帯に直結します。
USDAオーガニック認証はNOPという米国独自の制度に基づいており、有機JASと理念は近いものの互換性はありません。
ただし、日本にはNOP認定の第三者機関があり、有機JAS保持者は既に基盤が整っているため、0→1で取得するより圧倒的にスムーズにUSDA認証を取得できます。さらに、輸出のたびに必要な書類(ロット情報、CO、ラベル確認など)を整えておくことで、米国側とのやり取りが格段にスムーズになります。
ただ、④に記載した通り毎回の輸出時にまあまあ手間がかかるのも事実で鵜。USDAオーガニック(NOP)の審査や認証判断は認証機関の仕事ですが、輸出のたびに必要になる書類の“準備・整理・英語化”は、事業者側の責任になります。
弊社ではこの毎回の輸出時にかかる手続きをサポートすることが可能ですので、関心のある方はご相談ください
ロットごとのトレーサビリティ資料の英語化
原料のオーガニック証明書(CO)の整理
OSPに基づく工程説明の英語化
ラベル・表示の英語チェック
サプライチェーン変更時の英語説明



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